2014/11/09

11月11日「聖マルチンの日」にはロガルをお忘れなく


 11月11日はポーランドの建国記念日であるほかに、西部の都市ポズナンでは聖マルチンの日として親しまれています。この日にはRogalロガルとよばれる三角型のクロワッサンに似たお菓子Rogal świętomarcińskiをいただくのが習慣になっています。

 このロガルはEU内でも土地の名産品として製造できる地域が決まっていて、レシピは域外不出(?)だそうで、ポズナン以外で食べられるのは国際見本市やイベントでロガルを焼ける菓子職人が一時的に他都市に行ったときのみとロガル作り半世紀というホテルメルキュールの老パティシエが教えてくれました。



50年前から大切に取ってきたロガル作りのためのノート。
師匠のパティシエから学んだことをしっかり書き込んでいるそうです。

 製造ライセンスも毎年作品を作って審査う受けて更新というほど厳格に製法が守られているのです。そして、この日に出来上がるロガルはなんと約500トン!ロガルには重量規定があって1個の重さは150~250gの間でないといけないそうです。それを外れるものはロガルと呼ぶことができません。手に取って見ればクロワッサンとは比較にならないほどずっしりきます
。なかに入っているのは白いケシの実やアーモンドなどをベースに作ったペーストです。

 ロガルとは角を意味します。まだポーランドがキリスト教を受け入れていなかった古代スラブ人の時代にさかのぼると、秋祭りで神々に生贄として雄牛や、牛の角の形をした焼き菓子をささげていたそうですが、その後、カトリック教会が聖マルチンにまつわる伝説と結びつけて広めました。

おじいちゃんから孫まで同じ味の思い出があるホテルメルキュールのロガルは大人気。
ポーランド各地に住む家族・知人に送りたいポズナン子の注文もたくさん受けているそう。

 上の写真にあるような形のロガルが登場したのは1891年のことでした。
この年の11月11日が近づいたある日、ポズナンの聖マルチン教会で司祭をしていたヤン・レヴィツキは、恵まれない人々に聖マルチンにかかわりのある何かを施しに配りたいと考えました。
礼拝で司祭の話に共感した菓子職人が協力して作ったのが「聖マルチンのロガル」というわけでした。
 当時は、地元の富裕層が購入して貧しい人たちに配ったそうですが、その伝統はポズナンの人々の善意に守られ、二度の世界大戦の時代を乗り越えて今日まで受け継がれています。