2014/11/07

世界遺産「カルパチア地方の木造教会群」(スモルニクの大天使ミカエル教会 Cerkiew św. Michała Archanioła w Smolniku)

先月末にポーランド南東部ポトカルパツキェ県のビェシュチャディ山麓にある木造教会を訪れました。

このスモルニクSmolnikに最初のユニエイト教会である大天使ミカエル教会Cerkiew św. Michała Archanioła w Smolnikuができたのは1672年のこと。
ただし、この年にモンゴル軍の進撃により焼失。その後、再び教会堂が完成したのは1世紀以上たった1791年になってからのことで、現在内部に残る多彩装飾画は19世紀のものといわれます。


この地域からは国境線の変更によりウクライナ系住民が旧ウクライナ・ソビエト社会主義共和国に移住させられるなどして人口が減って行きましたが、1951年までずっとユニエイト教会として機能していました。信徒たちはウクライナに移送される際に教会の鐘やイコンなど価値あるものをここから持ちさってしまったため、この教会堂内部には文化的価値を持つものがほとんどない状態となってしまいました。そして、その後は国営農場の藁を備蓄する倉庫として利用されるなど、粗末な扱いを受け続けました。1956年には歴史的ユニエイト教会建築群のリストに登録され、さらに1969年には文化財として登録され、この年から翌年にかけて1921年の改修工事で金属製にされた屋根をもともとあったこけら板の屋根への葺き替えを行いました。
1974年にカトリック教会の小教区ができてからは、カトリックの礼拝に使用されるようになり、内部の改修工事が行われました。しかし、外部の大規模修繕は2004年にやっと着工して翌年に完成したので、良く考えてみると工事が完了してまだ10年ほどしか経っていないわけです。

ここの教会には、このエリアのマイノリティー「ボイコ人」の建築様式がよくわかる例といわれます。身廊、内陣、前室の3つから構成されていて3つの屋根は同じ高さですが、横幅には顕著な差があります。身廊の幅が一番広くなっており、3つの寄棟屋根の上に十字架を備えた玉ねぎ型の屋根部分があります。

元々あったイコノスタス(ユニエイト教会や東方正教会で聖所と至聖所を分けるイコンが描かれた壁)はユニエイト教会の活動が止まってから壊されてしまい、教会内壁にある多彩装飾画の一部のみがユニエイト教会時代のものとなっています。

道路から丘の上まで細い道を進んで行くとと一番上にこの教会があります。
道路の幅は3.5トン車程度で限界に見えます。大型バスは無理。
教会の前に車を止めるスペースがあります。

横から見ると屋根の高さがほとんど一緒

     前室から身廊へ 



1951年以前から残っている数少ないエレメントのひとつが天使がいるこの多彩装飾画




夏は葉があるのでこの角度から撮るのは難しそうですね。


教会の中に人懐こい猫が入ってきていました。


ふわふわのブチネコちゃんは近くの牧場に住んでいるのだそうです。
ものすごく人間に慣れています。

ポーランドの猫をみたらキチキチと声をかけてみてくださいね。
ポーランドでは猫を呼ぶときに「ニャー」じゃなくてkici,kiciと声をかけるので、どんなほとんどの猫がこの音に反応します。